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父と子、それぞれの想い

この話は私が小学校高学年だった頃の出来事から始まります。

私は喘息の発作を起こし、近くの総合病院に行きました。

酸素を吸入しながら点滴を打ってもらっていたのですが、午前の外来が終わったので入院病棟の空きベットに移動する事になりました。

数人いる部屋の一つのベットをあてがわれ、大人しく横になっていると、部屋の隅に人?がいる事に気づきました。

その人はベットに寝ているわけでもなく、部屋の隅を向いてこちらに背を向け、イスか何かに座っているようでした。

その様子をちらっと見るなり、お見舞いの人か何かだろうと思い、私は目を閉じ、寝ようとしました。

すると

「おい・・・、おい、おい・・・」

と話しかけてくる男性の声が
(耳で聞こえるというより心に直接話しかけてくる感じ)

目を開けると部屋の隅で背を向けていた男性が今度はこちらを向いて私に話しかけていたのです。

「おい、見えるか、分かるのか私が」

年の頃は50~60くらいだったと思います。
当時小学生だった私には「おじいさん」という印象でしたが。

「見えますし聞こえますよ」
(私も心で話しかけます)

応えるとおじいさんは一方的に語り始めました。

「私は自分が死んだ事はもうわかっているんだ。
入院していたんだが、様態が急変して一人で死んだ。
それはまあいいんだが、気になる事があってここにいる。
息子の事が心残りでしょうがない。

私は息子に厳しすぎた。優しくしてやりたいという思いもあったが、
顔を見るとどうしても厳しく接してしまう。
褒めてやるべきところでもつい叱りつけてしまう。
息子の為に!という思いからつい説教になってしまう。

息子からすれば顔を見ればただ怒鳴りつけるだけの親父だったろう。

きっと息子は私を心底嫌っていた。

だからただの一度も見舞いには来てくれなかったよ。
でもそれは自分が悪かったからだし、恨みもしていない。

自分が死んだ今、だめな親父だったとすごく後悔している。
優しく接してやれなかった事をとても後悔している。
息子に謝りたい。謝るまではどこにも行けない。
息子に会いたいのだが、みつからないんだよ」

というような内容を一気に語りかけてきたのです。

小学生の私としては、何か出来る事もなし、言っている意味が辛うじて分かる程度でしたから

「そうなんですか・・大変ですね」

というような返事をしておきました。
もし頼られて着いて来られても当時の私に息子探しなど到底難しいことであって、なにより喘息の発作を抱えていましたから、その時は苦しさで、それどころではなかったのです。

やがて点滴も終わり、迎えに来た母に連れられ私は家に帰りました。
普段から霊を視たり話しかけられたりしていた私は特に気に留める事なく家に帰ると、おじいさんの事などすっかり頭の中から消えていました。

この事があってから1ヶ月ほど経ち、私はまた喘息の発作を起こしました。
同じ病院に行き、同じ様に点滴を打ち、また入院病棟へ移動しました。
今度は前回とは違う病室に寝かされたのですが、ベッドで寝ていると、部屋の前の廊下を誰かが何度も往復するような、スリッパの、パタ、パタ、パタ・・・いう音がしばらく続きました。

患者さんか誰かだろうなと思っていたのですが、突然、先月のおじいさんがスっと部屋に入って来たのです。

あっ! こないだのおじいさんだ。

と思っていると、おじいさんがまた

「私が分かるか、聞こえるか」

「見えるし聞こえる」と私

おじいさんはまた前回と同じ内容を一方的に話してきました。
また同じ話してるよ、このおじいさん・・・。

ああ、このおじいさんは誰彼となく
自分が視える人間に同じ事言い続けてるんだな。
そして私にはもう話したって事もわかってないんだな。
もしかして記憶とかそんなのは無いのかな

などと思いましたが、2度会ったことによって、
印象深くこの事が記憶の片隅に残ったのでした。

ここで話は突如、10年程飛びます!

大学生になり、夜にクラブでアルバイトをしていた私。

40歳くらいのお客さんが私を気に入ってくれ、指名してくれるようになりました。
2回3回と来てくれる内、なんとなく、互いの父親の話になりました。

「俺は親父が大嫌いだったなー、もう死んだけど。
もちろん死ぬ前に見舞いにも行ってやらなかったよ。
いっつも怒ってばっかりでさー、褒められた記憶がないんだ。
お前の為だお前の為だとか言って顔見るたびに説教すんだけど、
ぜんっぜん俺の為に言ってるんじゃなくて
偉そうに説教することで自分が気持ちよくなる為だけっていうか。
とにかく理不尽で嫌な親父だったな」

そんな話を聞かされているうち、

ん・・・? なんか・・・ この話って・・・

ダダダダー!っと、
まるでデジャヴのように過去の記憶が蘇る。
こんなの珍しい話じゃないのに、まるで絵合わせのようにあの日の記憶とダブって感じとれる。

全然関係ないのかもしれないけれど・・・
だけど、もし、万が一、アレとコレが繋がっているとしたら・・・

話そうかどうか逡巡する私。

呑む! グビイ

よし! 一応話してみようじゃないか!

若干の酔いも手伝い、
私は小学生の頃に会ったアノおじいさんの霊の話をしました。
ちょうどこんな話を思い出したんですよ~って軽いノリで。

するとお客さんの顔色が変わって・・・

なんと病院が一致(病院と店は遠く離れています)!

時期も一致!

おじいさんのキャラ、年の頃、雰囲気も一致!

容態急変で一人で亡くなったことも一致!

お客さんも私もワーキャー言いながらビックリしつつ、さらに話を詰めて互いの記憶を元に検証した結果

「お客さんのお父さんこそ、私が小学生の頃出会った霊かもしれない」
という結論に達しました。

お父さん(と思われる霊)が、すごく後悔していた事、謝りたがっていた事、息子がみつからず病院から離れられずにいた事など、当時の記憶を掘り起こし、なるべく忠実に伝えました。

お客さんはポロポロと涙を流しやがて号泣しはじめました

父親への怒り、不平不満、悔しさ、それらに抑えつけられ、閉じ込められていた感情と心の奥底に沈んでいた、父親への愛情が一気に蘇ってきたのでしょうか。

そして感情と共に蘇る、「父親とのよい思い出の記憶」

お客さんは周りの目も気にせず、ワンワンと泣きながら父親のこういうところがよかった、尊敬していた部分もあった、たまに優しくしてくれた時はとても嬉しかった・・・
などとクシャクシャの顔で話してくれました。

聞いている私もつられて号泣してしまいました

そんなこんなでその日は終わり、何日かしてそのお客さんがまた来てくれました。

そして私を見るなり
父親の墓参りに行って、病院にも行って手を合わせてきたんだ。
と嬉しそうに話してくれました。

長い間、心にモヤモヤとした霧のようにひっかかっていた親父のことが少し晴れた気がすると。

見舞いに行けなかったことが実は悔やまれていたけれど凄く遅れたけれど、病院に行けてよかったと。

そして、

「こいつ俺の同僚なんだけど、君の話したら興味持っちゃってさ」
と別のお客さんも連れてきてくれるようになりました。

時間を超えて、やっと通じ会えた父子。
私とこのお客さんが出会ったことも偶然ではなくお父様の強い思いがそうさせたのかもしれません。

後に、私がこの世界で生きていくキッカケにもなった心温まる思い出です

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